佐久間内科小児科医院 二本松市,二本松駅 内科,小児科,心療内科

診察室より~その1~

 当院のホームページにお越しいただきありがとうございます。
平成22年9月に開設いたしました。

みなさまのお役に立てる情報を発信してまいります。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
 

もくじ

メッセージ

子どもに話させないお母さん、おばあちゃん

 前々から気になっていたことです。
 診察室にて。
「からだはいつから熱かったの?」
「咳は、どんな時に出るの?」
子どもさん本人に僕が訊きます。
「ああ、昨日の夜からです。9時過ぎ頃だったかと・・・」
「咳ですか。朝起きた時が一番ひどいです」

 何を訊いても、付き添いのお母さん、もしくはおばあちゃんが答えます。まだ子どもですから、正確に答えられないと思われてのことなのでしょう。でもこれ、ちょっと変。というか、ものすごく変。
 僕は、子どもさん本人に訊いているのです。まだ1歳や2歳であれば、きちんとした応答が成されない場合も多いでしょう。でもねえ、3歳ぐらいになりますと、割ときっちり答えてくれるものです。
 真っ先に答えてしまうお母さん、おばあちゃんは、子どもの答える権利、答える自由を奪っていると云っても言い過ぎではありません。
 大袈裟に聞こえるかもしれません。

「子どもの権利を奪わないでください」
 そんな風に思います。

平成24年8月10日

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声なき声を聴け

 東京電力福島第一原発より西北に約56kmに位置する二本松市では、某大学研究機関の協力のもと、放射線内部被曝測定を行っております。空間放射線量測定値が高い地域の住民、それも小児を優先的に、無料での測定です。
さて、先日のこと。
以前より当院かかりつけの幼稚園児が、内部被曝検査後、父親(以下Sさん)とともに当院へ立ち寄られました。他の子どもに比べ 、若干高い数値が出たそうです。Sさん、非常に不安がっておられました。

 昨年より当ホームページでは、年間放射線量測定推定値が10mSv未満のこの地において、確定的影響はもちろんのこと、確率的影響の一つである甲状腺癌、白血病の発症に対する過度の懸念は不要であることを繰り返し申し上げております(校医をさせていただいている小学校を中心とした父兄講演会でも、そのように発言しております)。

 Sさんご一家にも、安全である旨をお話ししてまいりましたが、その日のSさん、「実は・・・」とはじまり、「ウチの周りはけっこう高いんです。庭先には6μSv/時のホットスポットがあるんです」とおっしゃりました。6μといっても、ピンと来ない方もいらっしゃることでしょう。

 3.11の後の3月17日、二本松市役所前での測定値は13. 6μSv/ 時(以下、同単位略)でした。4月1日が2.93、8月30日によ うやく1を切り0.95、今年2月の測定では0.69となってお ります。ようやくここまでになったところで、今だに6を示す地点 があるとは。かなりの異常事態です。
Sさん、これまで幾度となく(ホットスポットの件を)市役所に訴えてまいりましたが、市の職員が視察に来て測定はするものの、「どうしようもありません」を繰り返すばかり、とのことでした 。

 ちょっと待ってください、僕からも聞いてみるからとSさんに伝え、その場はお引き取りいただきました。即、市役所に問い合わせてみますと、S家のことは十分に把握している、しかし、昨年の9月から11月まで、二本松市の全小児を対象とした(希望すれば大人も)ガラスバッチでの測定線量では、S家の子どもたちは高くないことがわかっている、だから問題ありません、とのことでした。
さーて、困った。
Sさんは不安を訴え、市役所は問題なしと言い張る。こういった場合、むやみに市役所に楯突いても埒は開きません。行政は、定められたルールの中で動きます。ガラスバッチの数値が高くないから問題なしと判断すれば、何がどうであろうとそれ以上のことは無視します。まして、除染活動がままならず、それでなくても苦情の電話が鳴り響いている市役所の現状では、Sさん一家にかまっている余裕がないことは目に見えています。
じゃあ、どうすればいいのか。

 そもそもは、内部被曝検査がもとで起きたことです。ならば検査担当責任者に相談してみるしかないのでは。
二本松の内部被曝検査室に電話してみると、責任者のK先生は多忙を極めている、そう簡単に電話に出ることは出来ないとのことでした。K先生は某大学医学部の衛生学研究室に所属されていることも聞き、ならば大学にいらっしゃる時にお話しさせていただきたい旨を伝え 、指定された日に電話いたしました。実は、その日もすんなりとお話し出来たわけではなく、いろいろとすったもんだしたのですが、ともかくも午後、K先生とはじめてお話が出来ました。

 自宅にホットスポットがあり、先日の内部被曝検査でも若干高い数値が出ているSさん一家のことをお伝えしたところ、事実関係を確認したいといったん電話が切られ、夕方に再度の電話あり。
(K先生が)市役所の担当者に聞いたところ、相当のクレーマーであると。
ちょっと待ってくださいと、僕。クレーマーでも何でも、不安を抱えているのは事実です。内部検査にしても、検査して高いとだけ告げ、その後の対策を講じなければ何のための検査かわからないでしょうと申し上げたところ、それはその通りですと、K先生。
けっこう、ほっとしました。ここで、「測定だけするのが我々の仕事ですから」なんて云われたらどうしようと思っていました。「きちんとした対策を取るための検査です」ときっぱりとおっしゃっていただき、誠意ある人柄を感じました。

 その後、Sさんと市役所には感情的軋轢があるようだ 、我々が間に入り対策を考えよう。まずは、S家の測定値が本当に高いかどうかを確認しましょうということになりました。(K先生が)多忙なのでいつになるかはわからないが、K先生と僕の立ち合いのもと、信頼出来る測定器を用い、ちゃんとしたやり方で測定してみましょう、そういうことになりました。さっそくSさんにそのことを伝えると、ほっとしたご様子でした。

 ところがどっこい。
それが2月20日のことです。1ヶ月近く経っても、K先生からはなんの連絡もありませんでした。よほどお忙しいのでしょう 。二本松に限らず、福島県内、いろいろな地域を廻っておられるとのことですので、町医者風情の日々の暮らしとは格段の違いがあることは、考えなくともわかります。でも、いくら何でも遅過ぎやしないか。

 我慢しきれなくなり、3月半ば、下記の手紙をK先生にお送りいたしました。
困っている人がいらっしゃれば、まずは何に困っているのか、足りないものは何か、余計なものは何か、からはじめねばなりません。人それぞれに支援すべきモノや時は違う。それを見極めた上で支援することを、震災以降目指してきました。

以下、手紙文です(実名は控えております)。

○○大学 ○○研究室
K 先生 御机下

前略
お忙しいところ恐れ入ります。先日は、お電話ありがとうございました。
さて、あれから1ヶ月が過ぎようとしております。S家及びその周辺の放射線量を測定する計画はどうなりましたでしょうか。もちろん、先生が尋常でないお忙しさの中にいらっしゃることは十分に承知しております。それならそれで、せめて電話一本のご連絡でもいただければと存じます。
S家のご主人は、確かにクレーマー的存在と市役所から認識されております。市役所職員に対して、不適切と思われる発言もあるいはあったのかもしれません。しかし、それとS家が抱く放射線量測定値に対しての不安は、別に考えるべき問題と思いますが如何でしょうか。
先日のお電話にて、先生は人を思いやる心を持つ、誠意ある方と認識いたしました。今はただ、それが単なる思い過ごしではなかったことを祈るのみです。
ご連絡をお待ち申し上げております。
もし、先日の先生のご提案がはじめから施行予定のない「案」であったとすれば、それはそれでご一報ください。
考えるところは大いにあります。

平成24年3月16日
佐久間内科小児科医院 佐久間秀人


何やら脅迫めいた文面とは思いましたが、脅迫と採られようともかまいません。何が何でも、K先生を引っ張り出さなくてはなりませんでした。手紙を送った後、K先生の所属する大学に電話をしました。こうなるともう、立派なストーカー行為です。とはいえ、ストーカーになったおかげで、K先生はその時点で日本にはおらず、チェルノブイリにいらっしゃることが判明。帰国まであと10日。こちらがこんな時に、何を今さらチェルノブイリなのかと思いましたが、今だからこそチェルノブイリなのだと、聞かされたのがその数日後です。

 予定より数日早く戻られたK先生から、さっそく電話をいただきました。文字通り東へ西へと、とてつもない忙しさ。チェルノブイリは、晩発性放射線障害の予防に関して得るものが多いとのこと。
「4月になれば、時間が取れそうです。そちらの予定は如何ですか」
毎週木曜午後は休診であることを告げると、ならば○日がいいですねと、その日を測定日にいたしましょう。前日にまた電話があり、時間を確認しました。S家には連絡済みです。

 当日、はじめて伺ったS家で、市の職員一人を連れ立っていらっしゃったK先生とお会いしました。ご挨拶もほどほどに、早速測定開始です。この日を待ちわびていたSさん案内のもと、玄関先にはじまり、まずはご自宅の周囲から。
「0.61、0.55、0.92・・・」
K先生が呟くように放つ数値を、後を追う僕と市職員が記録します。専門家が放射線量を測定する様子を、はじめて観ました。線量計の感知部分を腰の部分に固定し、おそらくはそこが地表から1mの高さなのでしょう、3歩進む度に目盛りを読み上げます。考えていたよりずっと緻密な作業でした。Sさんが独自で測った「6μSv/時」の地点に来ました。そこが一番のポイントです。「1.90」。思ったほどではないので、ホッとはしたものの低い数値ではありません。高いことは高い。まさしく、ホットポイント(笑、失礼)。

 家の外回りが終わり、次は屋内です。居間から子供部屋まで、隈無く測り回った結果、Max0.52、Min0.30。年間に換算すれば、2.63~4.55mSv/年の放射線量となります。日本での年間自然放射線量は、1.5mSvと云われています。やはり高い、高いことは高い。それでもまあ、K先生によれば「許容出来るギリギリの範囲」とのことでした。確かにそうです。100mSvまでの被曝量ならば人体被害はないとされています。とはいえ、通常より高い放射線量を浴び続けている精神的重圧は、本来の放射線障害にも匹敵する、あるいはそれ以上のようにも思えました。
家の内外を廻りながらSさんの説明を聞くうちに、Sさんがこの数ヶ月、子どもたちを守る一心でどれだけの労力を払ってきたかを知りました。

 Sさん宅は山の中腹にあります。川を隔てた向かい側も山のため、ちょうど吹きだまりのような場所に位置し、原発から空気中に飛散した放射性物質は、雨や風とともにこの地域に舞い降りてきたものと思われます。
家の周りの土は、出来る限り掘り返し、一ヶ所に集めた。一人でどうにもならない箇所は、市の応援を受け除去したが、それでもまだ足りない。
1階よりも2階の数値が高く、それはどうやら、屋根にこびりついた放射性物質のせいらしい。屋根瓦は高圧洗浄だけでは不十分のため、瓦一枚一枚を、タワシでこすったそうです。屋根全部です。泣きたくなりました。「6μSv/時」という数値を、K先生の測定値と同等に評価することは出来ません。測定機器のキャリブレーションも不明ですし、素人の測定方法によるものですから。でも、それを差し引いても、6という高レベルが少なくとも1.90まで下がったという事実は、評価に値するでしょう。
K先生でさえ、
「たいしたものです。ここまでされた方には、わたしもはじめてお会いしました」
そうですよね。だからこそです、K先生。このSさんが、市役所からは「クレーマー」として厄介者扱いされている。最初に取り払うべき問題は、まずはそれなのですよ。

 一通りの測定を終えた後、居間でお茶をいただきました。Sさんご夫妻、まだ春休み中の子どもたちが勢揃いです。同居のおじいちゃんおばあちゃんはおりませんでした。
S家の周辺地域一帯の放射線量が高いのは、住民全てが知っている。が、小さい子どもがいるのはS家のみ、他は皆高齢者のため、放射線にも除染にも興味がない。「しょうがねえよなあ」ですんでしまっている。同じ地区でありながら、意識に格差が生じているのが辛い。飲料水は井戸水のため、どこまで安全かもわからない。市にお願いして測定したところ、60Bq/lとギリギリの数値だった。ここに住んでいること、これからもここに住み続けなければならないことが、不安です。子どもたちの将来はどうなるのか。

 K先生を前にして、Sさん堰を切ったように話しはじめました。しかしそれは、K先生に何かを望むというよりは、はじめてちゃんとした専門家の前で、自分の話を聞いてもらえるという満足感安堵感のようにも感じられました。K先生も、真摯な姿勢でSさんに向き合い、耳を傾けてくれました。
「Sさん、あなた方のお気持ちはよくわかりました。なんとか出来るように、対策を考えましょう」
「そうすると先生、Sさんのお宅では、まずは何をどうしたらいいのでしょうね」
僕から切り出すと、
「そうですね・・・」
しばしの沈黙の後、
「あまりお勧めはしたくありませんが、家の周囲をコンクリートで固める、という手はあります。周りの土から染み込んでくる汚染物質を、コンクリで遮断するのです」
「コンクリート、ですかあ・・・」
Sさん、自嘲気味に口元をほころばせました。
「そこまでする財力が、今のウチにはちょっと・・・」
そりゃそうです。詳しい金額はわかりませんが、これだけの敷地をコンクリートで遮蔽するには、10万20万ですむはずがありません。ましてや、コンクリ遮蔽も実際やってみなければ、どれほどの効果が得られるかはわからない気がします。
「あとはですね、一時的な市内避難と申しますか。子どもさんたちの学校や幼稚園を変えなくてすむ範囲で、放射線レベルの低い地域に移り住んでいただく。そういう方法も考えられます」

 そうなんだよ、K先生!オレが思っていたのも、まさしくそれなんだよ。
我が意を得たり。
(放射線レベルが)高い地域に居ることが不安であるならば、ともかくもその地から離れることが最善の策でしょう。問題は、そのための費用を何処がどういう名目で算出出来るかです。
おそらくはこの二本松に、第2、第3のS家がたくさん存在しています。二本松に限りません。福島市にも、郡山市にも、一向に進まない除染事業に苛立ち、放射線被曝の不安を抱えつつ生活している方々がきっとおられます。福島県全体で見れば、かなりの数に上ることでしょう。Sさん一家だけをどうこうすればいいという問題ではありません。
もっとも、今回このような暴挙に踏み切ったのは、困っているS家の子どもたちが僕の患者であったからです。
(常々、医者は目の前の患者のことだけを考えていればいいと思っています。一つの家族の悩みさえなんとも出来なくて、社会を善くしようなんて考えること自体、おこがましい)

「わたしの今の立場では、何もまだはっきりとしたことは申せませんし、お約束も出来ません。しかし、あなた方が安心した生活を取り戻せるように、これから市や県や国に働きかけ、わたしに出来る、わたしなりの支援を考えたいと思います」
「ありがとうございます。そう云っていただけるだけで気持ちが楽になります。田んぼの作付けの問題とか、今、いろんなことが言われていて、頭がどうにかなりそうです。でも、大切なのは子どもたちです。子どもたちの将来が安心出来るものであれば、わたしらはそれでいいんです」
「子どもたちの将来」とSさんが言ったところで、それまでじっとうつむいていたSさんの奥さんが、唇を噛みしめ大きく頷きました。泣き出したくなるのを、必死に堪えているようにも見えました。つまるところは、それがS家の、いや、Fukushimaの願いなのです。
S家のみなさんと、K先生と市職員を見比べながら、これでよかったんだなと思いました。K先生は、本物です。やれるだけのことをやって欲しい。今はもう、信じ頼れるのはあなただけです。
市職員はずっと黙ったままでした。公の立場では、ここで何か言うことは許されないでしょう。でも、感じるところはきっとあった筈。市役所職員にしても、我々と同じ被災者です。被災者同士が手をつなぎ、連携することは絶対に可能です。

 何かしらの、解決に向けての希望に満ちた対策案が生まれたわけではありませんでした。それでもいいんです。はじめから、そんなもの期待してはいません。1日でなんとか出来るほど、放射能は甘くない。そんなことわかってる。
でもね。
S家のみなさまの「6μSv/時」への不安は、少なくとも解消出来たのです。

今回のS家のように。
声を上げても、小さすぎて、遠すぎて届かない。届きそうでも、どこかで誰かにかき消されてしまう。声を上げることさえ許されない、諦めざるを得ない人たちがおります。
声にならない、声。
そんな声に耳を傾けることが、医療関係、教育関係や行政の方々に限らず、保健福祉関係や民間事業者の方々すべてに、今、求められているように思います。
声なき声を聴いて欲しい。

 もっとも。
放射線被害に関しての、基本的な僕の考え、見通しは変わっておりません。
年間10mSvに満たないこの地域での放射線被害は問題となりません。何度でも繰り返します。危険区域に指定されている地域以外の福島は安全です。これからの福島で、小児甲状腺癌が増えていくことはあり得ません。
これについては、それを裏付ける科学的根拠が以前にも増して公表されております。今後、こちらでも紹介させていただきます。
もちろん、本来あるべきでない放射性物質は、一刻も早く取り去るべきです。国も自治体も、除染には最大限の力を注いでいただきたい。しかし、今のFukushimaで最も排除すべきものは、被曝に対する行き過ぎた不安、それを助長する風評被害そのものでしょう。

平成24年5月10日

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不活化ポリオワクチン導入に関して

 今週の4月23日、厚労省による「第3回不活化ポリオワクチンの円滑な導入に関する検討会」が開催されました。本年9月1日より、公費による(自己負担なし)不活化ポリオワクチンの接種が可能となる予定とのことです。大変喜ばしいことです。
ただし、これまで当院にて不活化ポリオワクチンを接種されている方は、予定通りに接種を続けることをお勧めいたします。2回目、3回目の接種がまだの方は、基礎免疫をつくるためにも、8週の間隔をおいての接種をお続けになってください。3回の接種がすんでいないのに、9月からの公費接種を待つのは「免疫をつくる」という点で好ましくありません。

 平成24年4月25日

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インフルエンザ流行中

 当地でも、インフルエンザウイルス感染症が爆発的に増加しています。保育園や幼稚園、学校や職場でも、いったん流行してしまうと阻止することは困難です。体が熱っぽくだるさを感じた朝は、まずは「お休み」することを考えましょう。
 熱が下がっても、ウイルスが(体内に)居残っている場合がありますので、最低でも丸二日はお休みすることをお勧めいたします。自分が治っても、他の人にうつしてはなんにもなりません。

 なお、既に流行している状況が明らかであり、症状もインフルエンザに典型的であれば(高熱の持続、云いようのない倦怠感、フシブシの痛みなど)、状況と症状のみでインフルエンザ感染症と診断できます。わざわざ検査をする必要はありません。
当院においては、周りで流行っていないのに症状があるとか、インフルエンザの割には熱が高くないなど、診断に迷ったときにのみ検査を行うようにしております。

 時々、インフルエンザを疑う症状ではないのに「学校(または保育園)で検査をしてくるように言われた」とのことでお子様を連れてくるお母さんがいらっしゃいます。当院ではそのようなご要望にはお応えできませんのでご了承ください。検査とは、治療のために必要な場合に行うものであって、学校の都合でするものではないと考えております(診療方針のページ、「迅速検査」をご参照ください)。

 平成24年2月10日

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甲状腺検診のお知らせ

 超音波検査を用いて、甲状腺に癌などの異常がないかを検査する「甲状腺検診」を当院にて行うことといたします。
 以前から申し上げている通りです。現在も将来も、この地の子どもたちに甲状腺癌が増えることはあり得ません。成人にしても同様です。
 しかし、不安に怯えておられる方がいらっしゃるのも事実です。
 不安をぬぐい去っていただくために、施行を決意いたしました。
詳しくはこちらをご覧ください。

平成23年12月16日

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「放射性物質汚染についてのアンケート」調査結果報告

 6月末。当院に来院された20歳未満のお子さまを持つ方に、標記タイトルのオリジナル・アンケートをお願いいたしました。報告いたします。
(この内容は、11月20日「第27回東日本外来小児科学研究会in千葉」にて発表いたしました)


 質問事項は8問、回答は選択式。診察室にて(診察後に)アンケート調査の主旨をお聴きいただき、同意された方のみご参加いただきました。アンケートは帰り際受付けに提出いただきました(回収率100%)

 アンケートは下記です。


 以下、設問ごとの報告です。

 

 お子さまの年齢は小学生以下が8割を占めておりました。
 以下がアンケート結果となります。




 放射線量の測定値はかなり下がっていた時期ではありますが、ほぼ全員の方が不安を感じておられました。「かなり不安である」方が、38%と一番多い。




 何に対して不安があるかというと、「がんのリスク」と「甲状腺への影響」がトップでした。次いで、「食物汚染」「土壌汚染」と続きます。「血液への影響」「皮膚・・・」「眼・・・」もみられます。
 血液、皮膚、眼への影響は「確定的影響」として現れますので、目の前で原爆でも爆発しない限り起きるものでもありません(「今、Fukushimaで生きるということNo2」参照)。数は多くないものの、ご回答くださったみなさまが、如何に誤った情報に振り回されているかということがわかります。「漠然とした不安」にしても同様です。




 原発事故に対する国の対応については、これもほぼ全員の方が「不満」を感じておられました。




 今後の対応が不十分と感じられた場合には、4割ちょっとの方が二本松市外、県外に「避難する」と答えられています。「避難しない」は22.5%いらっしゃいました。




 「避難しない」と答えられた方のみに、「避難しない理由」を選んでいただきました。「二本松は安全と思うから」という方はいらっしゃいませんでした。トップは「仕事の都合から」。「経済的理由」「子どもの転校が不安」「避難先がない」が続きます。つまりは、ほとんどの方は、「二本松に居たくて居るわけではない」ということになります。




 放射性物質汚染についての、マスコミ、インターネットの報道をどうお感じになっているかについては、7割近くの方が「役に立っている」とお考えでした。「全く役に立っていない」「不快である」が合わせて2割弱。この結果は意外でした。

 福島に住む者として、原発事故発生以降のマスコミ報道については、疑問を感じずにはいられません。放射線量測定値の高い低いを挙げつらい、住民の不安を煽り立てるだけのニュース番組、現状の悲惨さのみを強調し、現実的効果的な対応策を論じることのない「放射能評論家」と称される方々。
 無責任極まりない報道が少なからず、というより、ろくでもない内容ばかりだったように思います。そんなマス・メディア報道を、「役に立っている」とお感じになっている方が多くいらっしゃる。これが一番の問題かもしれません。

 「メディア・リテラシー」という言葉があります。下記をご覧ください。混乱した状況にあり、情報が少なく、または不確実な情報が飛び交う時こそ、情報に振り回されない心構えが大切となります。



 



 アンケート最後の自由記入欄には、みなさま、様々なことをお書きくださいました。まさしく、みなさまの「心の叫び」です。
 「いろいろな情報があり過ぎて、何を信じていいのかわからない」「専門家の意見がバラバラで・・・」など、まさしくメディア・リテラシーを必要とする方々の声。あるいは、「一日でも早く、子どもたちが自由に遊べるようにして欲しい」など、現状打破を要望される声の数々。全てを紹介させていただくことは無理ですので、一部を抜粋とさせていただきました。




 問3の結果より、回答者を「やや不安群」「不安群」「かなり不安群」に分類し、問5の「国の対応の不満度」と比較してみますと、「不安が強いほど不満も強い」という統計結果が得られました(有意差あり)。あたりまえと云えば、あたりまえの話ですが。




 問6の「避難について」の関係では、不安が強いほど県外への避難指向が強くなる傾向がみられました(有意差なし)。二本松居住率に差はありませんでした。やはり、不安がどの程度であれ、二本松に居るしかない方は、二本松に居るしかないと思われていることがわかります。

 このアンケート調査から、半年近くが経ちました。
 当ホームページや診察室の中、講演の機会がある度ごとに、二本松のみならず、危険区域に指定されている地域以外の福島の安全性を訴えてきました。でもねえ。つくづく感じることは、不安を感じている人に、理屈で説明しようとしても土台無理なんです。安全を説いても、それは押しつけに過ぎません。



 それならば。
 成されるべきことは、この3点に尽きるでしょう。
 国や市町村の各自治体には、不安の元となっている放射性物質を可能な限り、早急に除去するよう最大限の努力を払っていただきたい。
 2については、現段階の放射線レベルでは、健康被害は起きないと(僕は)考えています。しかし、もし万が一に発生することがあれば、それを早期に発見することが医療者としての責務であり、そのための態勢(または体制)を確立しておくことが必要となります。医療機関や各自治体が取り組むべき問題でしょう。

 福島県立医大では、小児甲状腺がんを想定し、超音波検査による甲状腺検診を開始しております。非常に意義あることと考えます。しかし、検査対象者が福島県内小児全般のため、全員に施行するにはかなりの時間を要します。検査の進行具合が、不安を助長することがあってはなりません。
 この点については、当院でも微力ながらお手伝い出来ることがあるかもしれません。現在計画中ですので、近いうちにこちらでお知らせさせていただきます。

 3の補償制度の確立については、ここで申すまでもなく当然のことでしょう。東日本大震災はまさしく「天災」ですが、東京電力原発事故は「人災」に他なりません。

 アンケート調査結果から今後の展望まで、例によって長々と書かせていただきました。
 もう一言だけ。
 福島は安全です。

 最後まで読んでくださり、ありがとうございます。

 平成23年11月28日

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スキンケア・アンケートにご協力ください

友人の小児科医が、子どものスキンケアについてのアンケート調査を行っております。ご協力いただければ幸いです。
下記よりお入りください。よろしくお願いいたします。

http://enq-maker.com/ea7IrVk

 平成23年10月11日

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今、Fukushimaで生きるということ(No2)

-放射線を正しく知りましょうー

「これからも、ここに居続けて大丈夫でしょうか」
「子どもを外遊びさせて、心配ないでしょうか」
「福島は危ないというから、○○の親戚のところに行っていましたけど、なんとなく居ずらくて戻ってきました」
 相変わらず、診察室ではこのような声が聴かれています。

 二本松市が公表する放射線測定値では、測定場所により数値がまちまちです。低い地域の方々は、低い数値に取りあえずほっと一安心。高い地域のホットスポットでは、高い数値に不安を感じつつも、そこから離れることは出来ない方々が多くいらっしゃいます。

 同じ二本松なのに、低い地域とホットスポットでの「格差」が生じています。
 変ですよ。たかが数字一つに、喜んだり落ち込んだり、何故こんなにも振り回されなければならないのか。

 まずは。これまでの経過を整理してみます。

 2011.3.11。東日本大震災発生。
 地震と津波により、東京電力福島第一原子力発電所(以下、原発)は壊滅的被害を受けました。原子炉建屋の水素爆発等により、大量の放射性物質が大気中、海水、土壌に拡散し、特に大気中への拡散は広範囲となり、福島県に限らず、東北o関東地方にまで影響は及びました。

 原発事故から1ヶ月半が経過した頃までは、政府より「放射性物質汚染による健康被害はない」、「安全である」との発表がなされ、放射線専門家のマスコミを通じての見解も同様でした。

 4月末、某内閣官房参与が「小学校等の校庭の利用基準としての20mSv/年の被曝線量基準」に抗議し辞任したところから、事態は一変しました。
 8月20日現在、一般住民においての放射線障害は観られておらず、将来の健康被害の可能性が高い確証はないにもかかわらず、福島安全説は崩壊したかの如く、細胞代謝回転の早い小児においては特に放射線感受性が強いとされ、子どもたちへの影響が声高に叫ばれ、ネット上では「20mSv基準に異を唱えない、子どもを見殺しにする県民性」といった批難が渦巻き、安全を唱える専門家は「御用学者」と揶揄されました。

 その後、福島県より県外に「脱出」する学童児が増加し、脱出不能な親は脱出出来ない現状を憂い、現在もその状況は続いています。8月10日付けの新聞報道では、「県内の公立小中学校で、震災後から夏休みまでに県内外に転校したか、夏休み中に転校する児童o生徒は全小中学生約16万5千人の約1割に当たる、約1万4千人」とのことです。

「風評被害」による福島県産農作物や畜産物の不買運動、県内観光地における客足の減少も問題となっています。7月には、放射性物質を含んだ稲わらを餌とした牛肉が流通したことから、畜産業界は厳しい状況に陥りました。

 当院では、6月末よりの1ヶ月間、20歳未満の子を持つ親を対象として、「放射性物質汚染についてのアンケート」を行いました。結果は、後日こちらで発表いたします。
 設問の最後に、自由記入欄を設けました。そこには、「放射線の専門家により(安全性に対する)意見が異なり、何を信じていいのかわからない」というご意見が多く見られました。

 福島の危険性を訴える放射線専門家の方々は、国や東京電力の対応を批難されているものと解釈しています。しかし、残念ながらそれは、結果的には福島県民の不安を煽ることになっています。
 放射線が目に見えない、匂いもない味もしないことがなおさら、不気味さを助長しているように思います。
 今こそ、放射線に関しての、正しい知識を持つことが必要です。

 以下、放射線について説明させていただきます。資料は下記を使わせていただきました。それぞれ、並記のURLより無償ダウンロード可能です。

資料:
① 産業医科大学医学部放射線衛生学講座.放射線学入門-福島第一原発事故を受けて-
平成23年7月27日版.http://www.uoeh-u.ac.jp/kouza/hosyaeis/hibakuguide.pdf

② 文部科学省平成23年6月24日.放射能を正しく理解するために.
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/gijiroku/attach/1305458.htm


 資料①の表紙です。
 下記の説明は、主にこれより抜粋させていただきました(一部、改変させていただいております)。


 そもそも、「放射線」とは(厳密には「電離放射線」のこと)、原子の中の陽子や電子が飛んできたものを指しています。光や電磁波を指すこともあります。「X線」は発見者の名前から「レントゲン線」ともよばれ、モノを透き通る性質を利用して、医療の世界では「レントゲン写真」などに使われています。

 放射線を出す物質のことを「放射性物質」とよびます。「放射能」とは、放射性物質が放射線を出す「能力」のことを云います。なので、「放射能漏れ」という表現は、よく聞かれますが適切な表現ではありません。正確には「放射線漏れ」です。

「原子」という単語も、日常生活では時々出てくるものの、目に見えるものではありません。とにかく原子は、人間を含めて、地球上の生物やあらゆるもののもととなる基本粒子です。酸素も、水も、みんな原子で出来ています。大きさはかなり小さい。例えば原子とゴルフボールがあったとして、原子をゴルフボールの大きさに例えると、ゴルフボールは何になるでしょう?


ということになります。原子とゴルフボールの関係は、ゴルフボールと地球ということになります。
 これぐらいの話ですから、日常生活では中々ピンと来なくてあたりまえ。
 放射線に関しても同じでしょう。

 ちなみに、放射性物質は原発の中だけにあるものでなく、自然界にも存在しています。普通に生活していても、我々は「自然放射線」を浴びていることになるのです。


 テレビや新聞では、放射線の単位として「ベクレル」とか「シーベルト」といった言葉が使われます。上の表のように、それぞれに意味があるものの、「吸収線量」とか「等価線量」とか、これまた何がなんだかわからない。
 それをなんとかわかりやすくしたのが下図です。


 どうでしょう。お食事中の方がいらしたらごめんなさい。でも、わかりやすいでしょ?
 放射性物質を「うんち」に、放射線を「臭い」に例えますと、どれくらいの臭いを出すかが「ベクレル(Bq)」、我々が吸った臭いの量が「グレイ(Gy)」、臭いによって人体に及ぼされた影響が「シーベルト(Sv)」ということになります。
 我々にとっては、Svが最も大切な数値となります。

 また、外部被曝とは放射線にさらされることですので、これは「うんちの臭いを嗅ぐ」ということになります。内部被曝とは放射性物質を摂取すること、つまりは「うんちを食べたり吸ったりすること」、表面汚染とは「うんちが付着する」ということになります。


 問題は、放射線被曝によりどのような影響が出るかです。
 これは、二つの見方をしなければなりません。ここをきちんと分けて考えないと、やみくもに「放射線はおそろしい」ということになります。

「確定的影響」とは、あるレベル以上の放射線を浴びれば、誰にでも確実に現れる障害です。「あるレベル」を「しきい線量」とも云います。

「確率的影響」とは、全員がそうなるとは限りませんが、被曝した線量が多くなるほど発生する確率が高くなる障害です。がんや白血病の発症がこれに当たります。子孫への遺伝を介した影響はないものと考えられています。

「しきい値なし直線仮説(以下LNT仮説)」は、どんなに少ない放射線量でも、被曝した以上は確率的影響が出るという仮説です。


 確定的影響の詳細です。1000mSv(ミリシーベルト)から吐き気や嘔吐の症状がはっきりと出てきます。2000mSvを超えるとやけどや脱毛、7000mSvで死に至るとされています。これらは、被曝した後急激に起きるものですが、白内障(水晶体が白く濁って視力が落ちる)だけは、後になって現れます。

 一度に1000mSvや2000mSvを被曝するなど、目の前で核爆発が起きない限りあり得ませんので、今回の原発事故とは無関係の話です。


 確率的影響については、確定的影響より低い被曝量での話となります。一般的には、1000mSvを被曝すればがんの発生率が5%増加すると云われています。つまりは、(1000mSv被曝した人が)100人いれば、そのうち5人ががんになる、ということです。
 なお、チェルノブイリの原発事故後の長年の調査では、子どもたちでのがんの発生は、甲状腺がん以外は見られなかったとのことです。

 前述の自然放射線の世界平均レベルは、年間2.4mSvです。さらには、東京-
ニューヨーク間を飛行機で往復すると、それだけで約0.2mSv被曝します。また、自然放射線のレベルは地域によっても異なり、イランでは年間10mSvを示しています。

 病院で胸のレントゲン写真を1回撮影すると最高で0.65mSv、CTスキャンになると10mSv被曝することになります。


 自然放射線の高い地域の一覧表です。これらの地区の住民のみなさんが、特別がんの発生が高いかというと、そういったことは全くありません。みなさん元気に、健康に暮らされております。


 そこで、LNT仮説の図を見ていただきます。「直線仮説」ですので、10mSvの線量でも、発生率は0にはなりません。実際に、年間10mSv被曝している方々のがん発生率がそれ以外の地域に比べ高くなくとも、この仮説で云えば「高くなる」ということになります。あくまでも計算上の理論、ということがわかります。

 実際に、広島長崎原爆被爆者のデータからは、1回の被曝で100mSv以下では、発がん等の確率的影響は認められていない、とのことです。しかしこの図では、1000mSvで5%であることより、100mSvではその10分の1の0.5%、200人に一人ががんを発症するということになってしまいます。

 現在、LNT仮説の信憑性が疑われています。


 ここまでのところでは、100mSvを超えた被曝量では、確率的影響については心配がある、ということは云えるでしょう。1000mSvについては絶対に危ない(あり得ない数値ですが)。

 問題は、10mSvから100mSvの、「低線量被曝」とよばれる領域です。100mSvの一回の被曝では影響はないとされるものの、持続的な被曝による影響については、そういった経験がないのでデータがありません。
 LNT仮説の信憑性が疑わしいとはいえ、10mSvを超えた持続的な被曝は、「不確定不確実な線量域」と云わざるを得ないのは事実です。


 文部科学省が4月19日付けで福島県教育委員会らに通知した「学校等の校舎o校庭等の利用判断における暫定的考え方について」では、20mSv/年に到達する空間線量率としては、16時間の屋内、8時間の屋外生活パターンを想定した上で、「屋外:3.8μSv/時、屋内:1.52μSv/時」を設定しています。5月27日通達の「線量低減に向けた当面の対応について」では、「学校で受ける放射線量:年間1mSvを目指す」とされました。


 二本松市(原発より西北西に約56km)においては、3月17日に13.60μSv(マイクロシーベルト)/時を呈した放射線測定値は、その後減少を辿り4月1日2.93μSv/時、5月1日1.34μSv/時、8月30日0.95μSv/時となり、当市よりやや低めの福島市、郡山市においても同様の経過を辿っています。
 実験的に、当市での4月1日のデータをもとに、学童児における放射線被曝量を計算してみると、上図の如くとなります。年間20mSvどころか、いずれ10mSvを下回ることは明らかです。
 二本松市における被曝量は極めて低く、安全と断言しても決して過言ではありません。


 100%安全と、断言出来るものではないかもしれません。
 しかし、少なくとも子どもを含めてのがん発生率が、今後増加することは考えにくい状況と思います。

 もちろん、食べ物に注意し、これ以上の内部被曝を増やさないようにすることは大切です。

 今現在、放射性物質は飛散していないので、窓を開けたり、洗濯物を外に干すことは全く心配ありません。

 子どもの外遊びについては、土を口に入れたり、手についた泥をそのままにしておくことがなければ大丈夫です。すぐに洗えば心配いりません。
 水たまりや屋外プールは、測定値が高いことがほとんどなので、近づかないようにしましょう。

 二本松市では最近になりようやく、子どもたちにはガラスバッチが支給され、定期的な外部被曝を測定することとなりましたが、これも意義あることです。

 ホットスポットでは、可能な限りの除染作業を行政や民間が一体となって取り組むべきでしょう。

 さらには、これは医療側の問題となりますが、今後のがん発生に対しては、早期発見に向け十分な態勢を取るべきです。

 それでもこの土地に居ることが不安である方は、仕方ありません。行くところがあるのならば、出て行かれるのも致し方ないでしょう。それを止める権利は、誰にもありません。

 心配なのは、出て行っても安心して生活出来る場がないのに、つられるようにして出て行く方々、(出て行きたくとも)出て行くことが出来ずに、不安を抱え暮らしている方々です。

 僕を含め、ここで暮らしている人たちは、これからも、ここで暮らしていくしかありません。
 何はともあれ、いいんです、ここで暮らしていても。
 注意すべきことさえ注意すれば、ここは安全です。

 今、ここで暮らす方々に「安心」を提供することが、医療者である僕の務めであろうと考えています。


平成23年9月5日

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今、Fukushimaで生きるということ(No1)

 20mSv/年宣言以来、乳幼児・学童児の保護者のみなさまの間で、静かな混乱が続いています。
 アテがあって関東や北海道、九州に避難していく方も多い。アテがない方は、しょうがないのでと言ったら言い過ぎですが、現実に行くところがない以上は、ここにいるしかありません。
「今さら故郷を出て行きたくない」。
そうおっしゃる若い世代の方々もおられます。

 そうはいっても、放射能汚染への不安は強く、診察室の中、小さいお子さんを抱っこするお母さんたちからは、「外遊びは絶対ダメでしょうか」、「窓は開けていいの?」、「これからどうなるんでしょうか」の質問の連続です。
 そんなこと聞かれても、一介の町医者には答えようがないのに。

 何かしらの答えを期待していらっしゃるわけですので、何かしらを伝えなくてはなりません。
「ここら辺が危ないんだったら、猪苗代とか会津に行って遊んで来れば。岳温泉も、数値は低いし」。

そうしますと、「那須のりんどう湖ファミリー牧場は福島、宮城、岩手からのお客さんは入場料無料だそうです」という情報を入手したりしまして、次の方に伝えます。ネットで調べたら、(入場無料は)5月いっぱいまででした。

 数値に振りまわされている気がしないわけでもありません。被曝しないですむなら、それに超したことはないのですけれど。
 現状から逃げ出すことが無理な以上は、この状況の中、如何に生きていくかを考えるしかないのではと思います。

 二本松市では今、郡山市を見習ってか、保育園(所)、小中学校の校庭の土を掘り返しています。
 表層の土と深層の土を交換する計画だそうですが、掘り出した直後の表層土が民家の隣に放置されたままだったりします。

 医師である僕が今すべきことは、安心の供給と思っております。安全は、国や東京電力にがんばってもらうしかありません。
「安全」とは云えない環境の中で、目の前にいる患者さんに、「安心」してもらうこと。

 子どもたちを福島から避難させない福島県民は、子どもたちの将来を考えていないのではないか。
 そのようなご意見が福島県外から出ていることも聞いております。
 そうなんですよ。
 放射能に感受性のある年代の子どもたち全てが、顔見知り同士が寄り添い、安心して生活できる場所が確保され、そこまでの移送が問題なくスムーズに成されるのであれば、一刻も早く避難させるべきでしょう。

 でもね。
 現実的に、そんなところがありますか?
 子どもたちだけを、安全に移送させることが可能ですか?

 このままの状況を見過ごし、子どもたちが将来甲状腺がん、白血病になったらどうするのか。
 そうなんですよ。これも本当に、心配なことです。
 ただまあ、今のレベルが、実際にどこまでなのか、本当の所は誰も知らない。

 甚だ無責任な云い方に聞こえるかもしれません。ですが、これが本意ですのではっきりと申し上げます。

 そうなったらなったで、なった時に考えるしかない。
 ならないための予防策と、そうなったことを、可能な限り早く発見するシステムを構築するしかない。
 そうなった場合は、最大限の補償制度を確立すること。

 上記3点こそが、国や県ばかりでなく、民間の組織が一丸となって取り組むべき課題と考えます。

 そして、
「安全とは云えない環境の中での安心の供給」。
 町医者である僕の、これが現時点でのテーマです。

 僕を含めて、僕の家族も、当院のスタッフも、当院にいらっしゃる患者さんたちも、みんなこの福島で生きています。
 がんばりましょう。

平成23年5月27日

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子どもたちと放射線量測定値

 福島県内での、保育園(所)、幼稚園、小中学校の園庭・校庭での放射線照射量測定値を、年間20mSv(ミリシーベルト)までは許容するとの発表が、政府より成されました。

 「シーベルト」という単位が非日常的であるのに加え、照射量が年間の数値で表されることもあれば、1時間照射量の場合もあり一定しません。そもそも、年間照射量と時間照射量との相関関係があるのかどうかもはっきりしません。

 「年間20mSv」については、基準が甘すぎる、このレベルでは子どもたちの身体への影響が心配だとの声もあります。

 一方で、特にマスコミに登場する「放射能専門家」の方々は、口を揃えたように、「現在の測定値での健康被害はあり得ない」とおっしゃられます。

 どちらを信じればいいのでしょうか。

 一番の被害者は子どもたちです。

 「健康被害はあり得ない」と聞かされても、放射能の恐怖に怯える大人たち。それはそれで、子どもたちの将来を思ってのことですから、心配になるお気持ちを「考え過ぎ」と切り捨てる訳にはいきません。
 子を想う親の気持ちは尊いものです。

 かといって。
 親の不安に振り回され、外遊びも許されない、学校では屋外部活動を制限される子どもたちのうっぷんも計り知れません。

 これも立派な、「風評被害」と呼んでいいでしょう。
 今はただ、事態が収束するのを願うのみです。

 個人的には、不安を抱きすぎるのもどんなものかな、と考えております。原発から半径30km外から50kmの地域では、無意味な外出は控えるものの、野外活動を制限するほどのことはないのでは。
 外遊びはさせてあげたいものです。
 確固たる根拠があるわけではないのですが。逆に、(現時点での)外遊びを否定する、はっきりとした理由があるわけでもありません。

平成23年5月2日(月)

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福島県のみなさまへ~被害を受けられた全ての方々へ向けて~

 3月11日の地震・津波・原発事故により、とんでもないことになってしまいました。
 とんでもない事態は今も続いており、好転の見通しは全く見えておりません。

 福島に限ることではありません。
 被害を受けられた全ての方々に、心よりお見舞い申し上げます。

 不幸にもご家族を失われた方々に、心よりお悔やみ申し上げます。

 福島県中通りに位置する当院も、地震の被害はありました。ただ、幸いなことに停電にも断水にも見舞われることはなく、通常の診療業務を続けさせていただいております。

 当地域の、浪江町を主とする被災者のみなさまの避難所も次々と閉鎖の方向へ向かい、岳温泉、土湯温泉や会津方面の旅館、ホテルへの移転が進んでおります。
 (医療支援の面で)危機的状況にあった二本松JICA居住の方々も、行政による移動手段、ガソリン供給が回復したことにより、医療機関受診が可能となりつつある、とのことです。

 当院を受診される被災者のみなさまも、度重なる移動と避難所生活に、極度の疲労が蓄積されているように感じております。今回の移動後は、しばらくは落ちつかれた生活が送られますよう、お祈り申し上げます。

 また、直接的被害もさることながら、放射能汚染による風評被害の巻き添えに遭われている方々がおります。手塩にかけ育てられた農作物や家畜たちへの、過剰とも云える差別待遇には、言葉では言い尽くせない怒りをお感じになっていることと思います。

 誰かをアテにしたり、誰かのせいにしたり、組織を批判するのみの安易な行為は好きではありません。
 しかし、被災地への避難勧告の稚拙さと同様、この点につきましても、政府はもっと慎重かつ的確に、客観的データに基づく情報を発信すべきであったと思います。
もはやどうになることではありませんが、(風評被害への)対応が少しでも改善されることを願わずにはいられません。

 さらには。
 決して忘れてはならないことがあります。

 二週間ほど前。
浪江町住所の方が、当院を受診されました。咳とのどが痛い。軽い風邪症状です。
原発にお勤めとのことでした。

 出張で関東に居たところ、震災が起きた。ご家族と連絡が取れ、当地にいらした。原発とは連絡がつかないため、取りあえずは当地避難所に滞在していたが、召集指示が入り、明日向かうことになった。怖くないわけはない。でも、同僚は今も原発に居る。

 自分だけここに居ることは出来ません。一刻も早く合流し、作業に復帰せねばなりません。

 「一段落つきましたら、また戻ってきます。ごあいさつに、必ず参りますから」
 笑顔でそう言い残し、彼は診察室を出て行きました。

 今、この瞬間にも、原発施設の中で放射能の恐怖と向き合っている作業員の方々がおられます。
 立ち入り禁止区域のため、状況が報道されることはありません。
 劣悪な環境の中、過酷な業務を強いられていることは、火を見るより明らかです。
 先の見えない閉ざされた泥沼にもがきながら、黙々と作業を続けられているに違いない。
 身を案じながら帰りを待つ、ご家族のみなさまの心中もお察し申し上げます。

 東京電力がどうの、政府がどうのの批判はいつだって誰にだって出来ます。
今はただ。
 彼らの安全と、作業の成功を祈りたいと思います。
 彼らのがんばりに、福島の、日本の将来が託されているような気がします。

 そして。
 一応は被災地と呼ばれる区域におりながら、少なからず支援的立場を取れる僕も、出来ることは何かを模索し続けていきたいと考えております。


平成23年4月14日(木)

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避難所診療報告

 当地域の避難所でも、自治体主導による温泉街の宿泊施設などへの移動が積極的に勧められております。(移動先についての)希望のアンケートを取られた方もいらっしゃれば、行き先は告げられないまま移動が決められている方もおられたりと、対応はさまざまです。

 今だに、不安な日々を送られている方が多くいらっしゃいます。

 先日の避難所診療の際。

 今は落ちついているが、お薬がなくなって1週間、いつ喘息が起きるかと母親が不安がる5歳男児は、聴診器を当てるとやたらニタニタするので、コチョコチョとおなかをくすぐると「キャハハハ」と笑い、「ダメじゃねーか、ちゃんと息しろよなー」と手を止め、治まったところで聴診器当ててまたコチョコチョ。そしてキャハハハ、お母さんも一緒にクックック。

 糖尿病の薬を引き出しに入れたまま逃げ延びた60歳女性。
「薬持ってくれば良かったんですけど、取りに戻る時間がなくて、家は流されちゃったんです。家が、流されてって、なくなって・・・。家がね、もうないんですよ」。
 ホロホロと涙ぐみます。

 カウンセリング・スキル。
 僕はカウンセラーではないので、難しいことをするつもりはありません。
 心の中のものを、出来るだけ吐き出してもらえればと思います。

 笑いたい人には笑ってもらう。泣きたい人には泣いてもらう。
 吐き出したものを、しっかりと受け止めたことを、メッセージとして伝える。

 いろんな状況の地域があると思います。

 当地の場合、原発という厄介な爆弾を抱えてはおりますが。

 どこがいいとか、どこが悪いとかの比較の問題ではないのでしょう。
 みんながそれぞれ、苦しみや哀しみや切なさや辛さや怒りを抱いている。

 それがいつか、喜びや笑いや希望や愛にすり替わっていく日が来ることを信じましょう。


平成23年4月7日

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避難所診療報告

 二本松市には、3月27日現在、19ヶ所の避難施設が開設されております。
 浪江町、南相馬市の方々が多くいらっしゃいます(総収容人数2,942人)。

 当地での避難所は、(避難所での格差は微妙にあるものの)暖房も一応は完備され、食事も定時的に供給されております。

 ただし、体育館や住民センターといった環境は、「居住スペース」として適さないことは明らかです。大勢の人間が出入りするため埃っぽく、換気も不十分なため空気が淀みがちです。
 咽頭痛や、夜間の発作性の咳を訴えて受診される患者さんが増えて参りました。

 当院では、体調が悪くとも受診出来ない方々のために、時間とガソリンの許す限り、出来る範囲で個人的に避難所巡回診療をさせていただいております。
 この一週間ほどは、抑圧された避難所生活に、みなさまのうっ積がたまってきている気配を感じます。

 宮城や岩手の被災地では、被害は甚大なものの復興の兆しが見えつつあります。
 「原発のせいで、どうしてこんなことに・・・」
やり場のない怒り。
 お気持ちを察すると、どんな言葉をかけて差しあげればいいのか、わからなくなります。

 ですが、みなさん。
 帰りたがっています。ふるさとに。
 放射性物質が飛び交っていようと、家は流されてしまっていようと、ふるさとはふるさと。

 その、尊い願いが失われないように支援させていただくことが、僕たちの務めなのかなと思います。

 出来ることを、出来る範囲でさせていただきます。

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福島県災害対策本部へのお願い

 そして、今。
 切実な問題が持ち上がっております。
 避難所の一つとして施設を提供してくださっております安達太良山中腹にあります「JICA二本松」においては、広大な施設に300人以上の方々が生活しておりますが、地理的に外出がかなり不便な環境です。

 高血圧、糖尿病といった慢性疾患のお薬の継続処方や、突発的な発熱などの対応がままなりません。
 3月21日(月・祝日)27日(日)、巡回診療に参りましたところ、40人前後が受診されました。災害救助法にもとづく診療行為のため、お薬の処方は1週間が限度です。

 二本松市街地の避難所であれば、行政側がなんとかして受診希望の方々を医療機関に移送されております(シャトルバス運行)。
JICAにいらっしゃるみなさまにも、そのような対応がしていただけないかと願う次第です。

 多地域の方々が集まっておいでなので、一つの自治体だけでの対応は困難かと思われます。
 このような場合、福島県災害対策本部が対応してくださるのが最も適した方法ではないでしょうか。
 事態は切迫しております。
 何卒よろしくお願い申し上げます。
 この件につきましては、JICA二本松の代表的立場の方よりも、正式に県に要請が出ております。

 以上、福島県災害対策本部へのお願いでした。

平成23年3月29日

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被災者避難所での投薬について

 東日本巨大地震より2週間が過ぎようとしています。各地に避難所が設置され、被災者の方々は過酷な生活を強いられております。

 当院では、自主的に避難所の巡回診療を行い、必要な方にはお薬の処方をさせていただいております。原則として、(保険診療上での)お薬の処方、点滴などの医療行為は診療所や病院、患者さん宅のみでしか行えないこととなっております。
今回のような災害時には「災害救助法」が適用され、行政が設置した避難所であれば(医療行為を)行うことが出来ます。

 避難所には、高血圧や糖尿病といった持病をお持ちの方が多くいらっしゃいます。避難の際にお薬を持ち忘れた、お薬を飲みきったなどでお困りの方や、今後は避難所での風邪やインフルエンザの流行が懸念されます。
治療のためには、お薬の処方が必要となります。

 医師のみなさまには、避難所巡回の際には是非ともお薬の処方(院外・院内処方せんの発行)をお願いしたく存じます。
患者さんが、助けを求めています。

 処方箋の発行は、下記手順で行えば法的に問題ありません。

1.避難所を設置する行政に巡回の旨を告げ、「災害救助法」にもとづき、必要があれば薬剤処方などの医療行為を行うことの承認を得ること(「災害救助法」についてを行政担当者がご存じない場合は、下記サイトの「pdf、239kb」をご覧いただいてください)。

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r985200000154aa.html

2.診察の際は、患者さんの氏名、生年月日、住所(保険証に記載されている場所)、医療保険の種類(社保or国保)、被保険者番号(もしわかればで可)をご確認ください。社保の場合、保険者の名称も明らかであればベターです。これによりカルテを作成し、「避難所への往診」という診療形態を設立します。
被災者の方々は、保険証を持参していることの方が稀です。保険証を持ち 
合わせていなくとも、上記情報さえあれば十分です。

3.お薬の処方は、通常通りの方式にて、処方せんに患者氏名、生年月日、処方薬剤名、投与量、投与回数、服用法を記載してください。被保険者番号は、不明な場合記入の必要はありません。
投与日数については、「7日を限度とする」ということとなっております。
処方せん備考欄に、被災者であること、診療場所(○○避難所など)を記載してください(薬剤師側が対応しやすくなります)。

4.処方せん発行後は、院内処方せんでは自院で調剤、院外処方せんの場合は、
患者家族、知人が調剤薬局に処方せんを持参し、お薬を受け取ることが出  
来ます。

 上記については、「災害救助法」に規定されているものの、医療従事者への周知が不十分であること、今回の災害においても、厚労省、日本医師会などよりの明文化された通知が今だなされていないことより、避難所での処方を拒否される医師が数多くおります。
 避難所巡回を行う際、簡単な「医療相談」程度の認識しか持たない医師に対しては、患者である被災者が、我々医師に何を求めているのかを十分に考えていただきたい。

 医師が避難所を訪れるからには、医療行為を行うことを前提として、患者が抱く苦痛を取り除く対策を講じて当然と考えます。

 なお、災害救助法においては、医療報酬についての規定があいまいなままであります。今回の未曾有の大災害においては、この点について整備すべく、現在厚労省にて検討が進められているとのことです。近いうちに結論が示されることでしょう。報酬があるから処方する、なければ処方しない、といった問題ではないと心得ますが。

 その他、レセプト提出についてなど、不明な点が多々あります。今後少しずつ解決されていくことと思います。こちらで逐一報告させていただくことといたします。

 以上、取り急ぎご報告申し上げます。
 困っている患者さんがおります。
 それだけは、まぎれもない事実です。

 平成23年3月23日

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東北地方太平洋沖地震で被災された方々へ

 今回の大地震にて被害に遭われたみなさま、心よりお見舞い申し上げます。
当院も、エアコン故障、家具倒壊等のトラブルに見舞われました。
津波や火災にてご家族や家屋を失った方々のお気持ちを思うと、やりきれなくなります。
負けないでください。
生きてください。絶対に生きのびてください。

平成23年3月15日

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肺炎球菌ワクチンとヒブワクチンの接種が、一時見合わせになりました

 肺炎球菌ワクチンとヒブワクチンの同時接種直後、2011年3月2~4日の3日間で4人の乳幼児が死亡したと報じられました。厚労省は両ワクチンの接種を一時中止し、詳細な調査を実地しておりますが、現時点(3月5日)でワクチン接種との因果関係は不明です。

亡くなられたお子様とご家族に、心からの哀悼の意を表します.親御さまのお気持ちを察するに胸の潰れる思いです.その上で,本件はまだワクチンと死亡の因果関係が不明であることを,全ての皆さまが慎重に受け止めて判断されることを願います.

まずは、厚労省の今後の方針決定を待ちたいと思います。

平成23年3月7日
 

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