佐久間内科小児科医院 二本松市,二本松駅 内科,小児科,心療内科

診察室より~その3~

もくじ

メッセージ

県民健康調査・甲状腺検査開始のお知らせ

1月にお伝えした通りです。
3月より県民健康調査・甲状腺超音波検査医療機関の認定を受けました(診療内容・甲状腺検査のページをご参照ください)。

http://fukushima-mimamori.jp/thyroid-examination/kyoten/

  2011年3月11日・東日本大震災→東京電力福島第一原子力発電所事故以来、放射性物質拡散による健康被害が懸念されたため、当時(概ね)18歳以下であった福島県の子どもたちに定期的な甲状腺超音波検査が行われることとなりました。福島に住む方ならば、みなさんご存知のことと思います。検査は2011年10月よりはじまり、現在は20歳未満では2年に1回、20歳以上では5年に1回実施ということになっています。

  検査がはじまった後、「福島県の子どもたちに甲状腺がんが増加している」という報道が一部のマスコミから出されるようになりました。それこそ、思い出したように度々流れます。実際に増加した事実はありません。
  甲状腺超音波検査を大々的に行うようになり、これまでは見つけようがなかったものが見つかるようになった、それだけの話です。

  その延長で、超音波検査が過剰診断・過剰治療につながるのではないかという批判も出ています。甲状腺には無治療でも進行がみられない「がん」が存在するとも云われているために、放っておいてもいい「がん」をわざわざ見つけ出し、手術する必要があるのかと。
でもね、そうなると。
はじめから、甲状腺検査などやらなくてはいいということになります。
そもそも、無治療でも進行がみられないかどうかは、発見した時点で判断がつくものではありません。

  震災当時、福島県にお住まいだった子どもさんがいらっしゃる保護者の方々には、いつか我が子に「甲状腺がん」が発症するのではないかという不安が、多かれ少なかれあるわけです。そんなことはまったく心配していないとおっしゃる方も、少数ではありますがいらっしゃいます。それはそれでいい。
  不安を抱く方々に対して、被ばく線量が少ないとか、福島はチェルノブイリとは違う対応をしたとか、100mSvがどうの、LNT仮説はおかしいと理屈を説明しても、不安が解消されるものではありません。不安は感情から生まれるものです。

  不安を受け止めるための甲状腺検査であってこそ、意義あるものと考えます。甲状腺がんができたとしても、それを可能な限り早期に発見し、治療する体制づくり。それこそがこれまでもこれからも求められているのでしょう。
  当院が少しでもお役に立てることを願っています。

平成29年3月11日
3.11から6年目のこの日に

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甲状腺超音波検査認定試験を乗り越えて

  平成28年12月、福島県より通知をいただきました。
  ようやくです。ようやく、県立医大県民健康管理センター主体の甲状腺超音波健診を、当院にて行うことが可能になりました。
  長かった。

(福島県では、平成23年3月11日の東日本大震災に引き続く東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴い、県民健康調査の一環として当時0歳から18歳だった小児を対象に、2年に一度の甲状腺超音波健診を行なっています)

  1日がかりの講習を3回と、2回の実習(ハンズオンセミナー)を受け、甲状腺超音波検査認定試験に合格した後、3回の学校健診に参加し、県から健診実施医療機関としての認定を受け、そこからまた、県立医大との打ち合わせに入ります。
  当院が健診を行うために、乗り越えねばならないハードルがいくつもありました。

  平成25年4月から講習を受けはじめました。
  2回の実習が終わり、はじめての認定試験が平成27年(おととし)の2月でした。筆記試験は受かりましたが、実技試験は落ちました。翌月も試験の通知がありましたので当然の如く受けに行きましたが、またもや不合格。

  それからが、地獄の日々です。
  結果通知には「不合格」としか記されていません。何故落とされたかわからない。
  甲状腺の超音波検査に取り組むようになったのは震災後です。しかしそれまでも、心臓や腹部の診察ではそれこそ聴診器代わりに超音波装置を診療に用いてきました。
  超音波を扱うことに関しては、それなりの自信とプライドを抱いていた次第です。それが、無残にも打ち砕かれた。

  3回目の認定試験が同じ年の9月に行われるとのことでした。今度こそ、です。3度目の正直成るか。
  実習での講師の先生方は「ちゃんと甲状腺を観てください。ちゃんと観れば合格です」と何度もおっしゃいます。ですけど、僕は「ちゃんと」観ているつもり。でもそれは、試験官には「ちゃんと」とは判定されない。
  「ちゃんと座りなさい」「ちゃんと人の話を聞きなさい」「ちゃんとちゃんとちゃんと・・・・」
  まさしく、発達障がいとされる子どもたちと同じ。ちゃんとやりたいのに、ちゃんとやっているつもりなのに認めてもらえない、ダメ出しの連続。そのうちに嫌気がさし、反抗的な態度になる。彼らが抱く辛さ、悔しさ、悲しみ、憎しみ、憤り、怒り。
  これまで、そんな子どもたちと関わりを持っていた筈なのに、彼らの気持ちがこの時本当にわかった気がしました。

  認定試験の合間に、受からない人のためのスキルアップセミナーが県医師会主催で企画され、実技講習会も3、4回あったのですが、全て参加しました。民間会社の有料実技セミナーもあると聞きつけ、それにも出ました。自分の超音波技術には何が足りないのか、何故落とされるのか、突き止めなければ結果は同じ。

  とはいえ、県立医大開催のセミナーにしても民間会社にしても、これといって間違ったところは指摘されません。やってみると、講師の方からは「いいですね、それでいいですよ」で終わり。
  でも落とされているわけです。どこが悪くて2回落ちているのか尋ねてみても、「今度こそがんばってください」。
  本当にこれでいいのか、これで間違いはないのか。不安は解消されないままでした。
  認定試験も講習会も、郡山の某病院が会場です。終わって駅までの帰り道、線路のガード下をとぼとぼと歩くわけですよ。悲壮感漂わせて。雨や雪の日はほんと惨め。

  そして9月。3回目の試験の日が来ました。
  またしても「不合格」。
  何がどうなっているのか、まったくわかりません。

  不合格通知を受け取った僕に、当院のスタッフの一人が、「もうやめてください。先生が落とされるなんておかしいですよ」と呟きました。それぐらい僕、落ち込んでいたようです。
  「いや、やめないよ。次もまた受けるから」
  「先生には、プライドってものがないんですか!」

  今度は突然怒りモード。勤務先の院長が落ち続けていることが、よほど情けなかったようです。
  スタッフたちにしても、試験が近づくと昼休みに交互に診察室に呼びつけられ、超音波の練習台にさせられるのですから、本心としてはたまったものではなかったのでしょう。
  でも、ここで引き下がるわけにはいきません。プライドの有る無しについては、逆なんですよね。プライドがあるから受け続ける。

  僕を落とすことがそもそもおかしい。そう思う気持ちが捨てようにも捨てきれなかっただけです。
  スパッと諦められれば、これほど楽なことはありません。それが出来ないから苦しい。

  4回目の試験が去年の2月でした。そこでようやくです。ようやくの合格通知が届きました。
  「きゃっ、よかったですね!」
  「プライドがない・・・」と怒ったあのスタッフが、驚くような歓声をあげました。全員がホッとした安堵の表情でした。

  3回目までは何が駄目で、4回目では何が良かったのか、思い当たる点が実はあります。
  今回のことで知り合いになった某病院の検査技師のHさんがおととしの暮れ、試験前にわざわざ遠方から当院にいらっしゃってくれました。甲状腺超音波のコツの本質を伝授してくださったのです。些細なことでしたが、おそらくはあれが大きなポイントなのでしょう。彼に救われた面は実に大きい。合格は彼のおかげと云っても過言ではありません。彼の支援のおかげで、僕は救われました。発達障がいとされる子どもたちが、何らかの支援で壁を乗り越えていくのと同じように。

  認定医試験合格からも中々すんなりとコトは運ばず、3回の学校健診のノルマを果たせたのが去年の10月でした。
  そこからまた手続きがいろいろとあり、これから県立医大との打ち合わせに入ります。健診医療機関としての稼動開始はまだ2、3ヶ月先の話としても、ようやく見通しがついた。正式に開始となれば、またここでお知らせいたします。

  ここに至るまでの間、何をやるにしても何かしら心に引っかかりを感じたままでした。診療中にもふと、「オレが医者なんてやってていいんだろうか。そんな資格があるのか」なんて思ったり。患者さんに愚痴をこぼしたこともあります。
  発達障がいとされる子どもたちとの関わりの上でも、客観的にならなければと思いつつ他人事とは思えない部分を多々感じました。頭の中のどこかに常に「甲状腺」があり、それが心にブレーキをかけているようなモヤモヤした閉塞感。このメッセージページのアップがしばらく滞っていたのも、全てはそのせいです。

  何故にそこまでにのめり込まなければならないのか。
  やはり、それが僕の「こだわり」です。
  誰に頼まれたわけでもない、期待されるわけでもないのに、やらずにはいられない、あきらめきれない。
(県の甲状腺超音波健診については、過剰診断であるとか過剰治療とか、否定的な意見も多々あるようです。これについても、後日またアップいたします)

  今回は、今何かに挑戦している方、挫折しかかっている方、あるいは挫折したと思っている方に向けて、この体験を伝えたかったのみです。
  スタッフに見守られ、Hさんに支援されたことで壁を乗り越えられた。人とのつながりが人を救う。甲状腺超音波検査認定試験を通して、そのことに気づけたことが何より大きかったのかもしれません。
  成功により得られる歓喜や賞賛は誇りの証。しかしそれ以上に、失敗からもたらされる教訓は尊いのです。

平成29年1月10日
 

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熊本・大分のみなさまへ

先週からの地震のために大変な思いをされているみなさま。
心よりお見舞い申し上げます。
地震は必ずおさまります。
こんなことが、いつまでも続くはずがありません。

福島県のJMAT(日本医師会災害医療チーム)等が結成されましたら、必ず支援に向かわせていただきます。

平成28年4月22日

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各種イベント情報 (2016年~)

第78回子育て支援セミナーのお知らせ

  場 所: 二本松市子育て支援センター
  日 時: 平成29年10月19日(木)1時30分~2時30分
  テーマ:

「日常生活で起こりやすい病気の対処法」

  (セミナーについての詳細は、「子育て支援」のページをご参照ください)

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第77回子育て支援セミナーのお知らせ

  場 所: 二本松市子育て支援センター
  日 時: 平成29年8月24日(木)1時30分~2時30分
  テーマ:

「応急処置について」
~事故やケガ、いざという時の知識~

  (セミナーについての詳細は、「子育て支援」のページをご参照ください)

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第76回子育て支援セミナーのお知らせ

  場 所: 二本松市子育て支援センター
  日 時: 平成29年6月15日(木)1時30分~2時30分
  テーマ: 「メディアの影響」
~乳幼児期からメディア漬けにしていると・・・、どうなる?~
  (セミナーについての詳細は、「子育て支援」のページをご参照ください)

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第75回子育て支援セミナーのお知らせ

  場 所: 二本松市子育て支援センター
  日 時: 平成29年4月20日(木)1時30分~2時30分
  テーマ: 「アレルギーの種類、症状」
~判断と対応の仕方~
  (セミナーについての詳細は、「子育て支援」のページをご参照ください)

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第74回子育て支援セミナーのお知らせ

  場 所: 二本松市子育て支援センター
  日 時: 平成29年2月23日(木)1時30分~3時
  テーマ:

「子どもの食事と睡眠」
~食べてくれない、寝てくれない~

  (セミナーについての詳細は、「子育て支援」のページをご参照ください)

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第73回子育て支援セミナーのお知らせ

  場 所: 二本松市子育て支援センター
  日 時: 平成28年12月22日(木)1時30分~3時
  テーマ:

「メディアの上手な活用法」
~メディア漬けの予防は乳幼児から~

  (セミナーについての詳細は、「子育て支援」のページをご参照ください)

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第72回子育て支援セミナーのお知らせ

  場 所: 二本松市子育て支援センター
  日 時: 平成28年10月20日(木)1時30分~3時
  テーマ:

「発達について」
~月齢別にみた子どもの気になる様子や行動~

「秋から冬にかけて気をつけること」
~感染予防やスキンケアについて~

  (セミナーについての詳細は、「子育て支援」のページをご参照ください)

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第71回子育て支援セミナーのお知らせ

福島県からの要請で、出張甲状腺超音波健診に急遽参加の為、やむなく中止とさせていただきます。

  場 所: 二本松市子育て支援センター 
  日 時: 中止 平成28年9月1日(木)1時30分~3時
  テーマ:

「発達について」
~月齢別にみた子どもの気になる様子や行動~

  (セミナーについての詳細は、「子育て支援」のページをご参照ください)

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第70回子育て支援セミナーのお知らせ

  場 所: 二本松市子育て支援センター
  日 時: 平成28年6月23日(木)1時30分~3時
  テーマ:

「夏の事故と応急処置」
~水遊び、花火などの事故、いざというときの知識~

  (セミナーについての詳細は、「子育て支援」のページをご参照ください)

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第69回子育て支援セミナーのお知らせ

  場 所: 二本松市子育て支援センター
  日 時: 平成28年4月21日(木)1時30分~3時
  テーマ:

「春から夏にかけて気をつけること」
~紫外線、虫刺されなどの皮膚の予防と処置について~

  (セミナーについての詳細は、「子育て支援」のページをご参照ください)

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第68回子育て支援セミナーのお知らせ

  場 所: 二本松市子育て支援センター
  日 時: 平成28年2月25日(木)2時~3時30分
  テーマ:

「日常生活で起こりやすい熱、風邪、キズなどの対処法」
~病院へ行くタイミング・・・

        こんなときはどうすれば?~

  (セミナーについての詳細は、「子育て支援」のページをご参照ください)

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